アニメ映画「百日紅」の中に
「始末をつける」という言葉が出てきます。
主人公のお栄(葛飾北斎の娘・絵師・実在の人物)が
依頼されて地獄絵を描いたのですが、その絵が
夜な夜な怪異を起こすというシーン。
父である北斎は
「おめえはいつも描いたら描きっぱなし、ちゃんと
始末をつけねえからこんなことになる(セリフうろおぼえですいません)」
といい、その絵にあるものを描き足します。すると怪異はぴたりとおさまります。
北斎が地獄絵に描いたもの、それはお地蔵さまでした。
地獄で苦しみもがく亡者たちに救いをさしのべるお地蔵さまと、すがる亡者の絵。
それが北斎の言う「始末」でした。
地獄にも、お地蔵さま(仏)がいるんだ・・・・。
地獄には神仏はいないと思っていたので、そうか、いるのだ、と衝撃を受けるとともに
なぜか妙に納得いたしました。
そして、地獄も始末が付くのだとしたら、この世も当然「始末」のつくようにできているのでは、と。
「始末」、始めから終わりにいたること。
つまり「救い」なのだな、と。
「百日紅」は、江戸末期、作者の杉浦日名子さん言うところの「毎日が日曜日」だった日本を
情景をそっくりそのまま映した素晴らしい作品です。
ぜひ観てみてください。
コメントをお書きください